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〜栃木路をゆく その6.国指定重要無形民俗文化財「山あげ祭」〜那須烏山市〜
今回は栃木県那須烏山市の「山あげ祭」をご紹介いたします。
「山あげ祭」は、那須烏山市で催される450年の伝統を誇る日本一の「移動式の組み立て舞台による歌舞伎の野外劇」です。昭和54年には、重要無形民俗文化財に指定されました。


 


舞台の背景として烏山特産の和紙を「山」と呼ばれる竹竿に張り合わせ、その「山」を天高くそびえ立たせる(あげる)ことから、「山あげ」と呼ばれています。これらの山には山水が描かれ、四季の情趣が豊かに現わされます。 若衆が舞台や太夫席、背景である「館」「波」「前山」「中山」「大山」を公演場所で組み立てます。大山は、巾8メートル、奥行き100メートル、高さ20メートルの大きさになります。
「山」には「切り返し」という仕掛けがあり、綱で操作することによって、風景を冬から春へ一変させる仕組みになっています。このような背景装置は他に例がないそうです。












歌舞伎舞台も絢爛豪華で魅了されますが、「山あげ」の見ものと言えば、何と言っても若衆の集団行動による舞台装置の設置と解体です。

道の真ん中に舞台を立てて演じ、それが一日6回行なわれ、公演一回ごとに場所を移動します。立てるだけでも一時間はかかる大変な作業を夏の暑いさなか、朝の9時から夜の10時まで6回の公演の度に立てられ芝居が終わると、山は解体され、次の場所へと運ばれて再び組み立てられます。
この一連の一糸乱れぬ妙技は一見の価値があります。

 
 


普段は人通りもまばらな街の通りも、この時だけは野外劇の大舞台となります。
「山あげ祭」の面白さは、街の中で祭りの渦に巻き込まれながら、いつしか山の風景に溶け込んでしまい、自分も参加しているかのように実感できるところです。

ご興味のある方は、毎年、7月第4週の金・土・日曜日の3日間行なわれますので、
是非、来年は那須烏山市に足を運んでみてはいかかでしょうか。

<山あげ会館>
場所:那須烏山市金井2-5-26
問合先:那須烏山市観光協会 Tel:0287-84-1977




≪ 那須烏山特産の和紙の歴史 ≫
正倉院の774年の記録の中に「下野国那須紙」という表現が出てきます。
また、江戸時代には烏山藩の御用紙となり、幕府への献上品に用いられていたそうです。

<烏山和紙会館>
場所:那須烏山市中央2-6-8
問合先:烏山和紙会館 Tel:0287-82-2100



<和紙の里>
場所:那須烏山市小原沢599  
問合先:和紙の里 TEL:0287-82-2128 



和紙の里では「紙すき場見学」や「紙すき体験」を実施しています。