- 石川・康本
- はじめに、先生の所属されている、機器分析センターの役割についてお伺いできますか。
- 松本先生
- 一般的に国立大学の研究設備の導入には国民の皆様からご負担いただいた税金が充当されることになります。これを無駄にしないためには、導入した装置がその能力を発揮できる限られた期間の間に十分に活用されること、すなわち利用されない時間を最小限にすることが重要です。このような観点から、大学で導入した研究設備が無駄なく効率的に利用されるよう、なるべく多くの利用者間で「共用」できる環境を構築することが、当センターのミッションとなります。「共用」の範囲は学内にとどまることなく、他大学や民間企業といった学外にも門戸を開いております。
経歴について
- 石川・康本
- 次に先生の経歴をお聞かせください。
- 松本先生
- 私は1999年に博士後期課程を修了し博士の学位を取得後、最初の2年間は民間企業の中央研究所で働いていました。その後再びアカデミアの世界に戻り、複数の大学、研究機関を転々といたしました。現職の宇都宮大学が一番長く、今年で12年目に入ります。
研究分野について
- 石川・康本
- 先生のご研究の分野をお教えください。
- 松本先生
- 無機機能性材料の創出、高度化、高性能化に関する種々の研究を行なっています。一般的にガラスやセラミックスといった無機材料は、原料を高温で溶かして固めて作られるイメージが強いですが、 私は化学反応を利用し、液相で無機材料を合成する研究に長年取り組んできました。従来材料を低温の液相プロセスで得られるというだけではなく、化学反応を精密に制御することによって、従来の高温プロセスでは得られない新規な無機機能性材料の創出にもつながります。
- 石川・康本
- ご研究の応用範囲はどういったところでしょうか。
- 松本先生
- 光触媒、光学薄膜、気体選択透過膜、紫外線防御化粧品材料、燃料電池触媒等、種々の機能性無機材料の創出に関する研究を行なっています。大学で行う研究ですので、基礎科学的な見地に寄る独自の合成技術を基盤としていますが、それでも実用化・産業化を志向して研究を行なっており、言うなれば「学理」と「実践」の双方を重視した研究を心がけています。
理化学ディーラーに対して重視するところ
- 石川・康本
- 私ども理化学ディーラーに対して先生が重視するのはどのようなところでしょうか。
- 松本先生
- 私が感じているローランさんの魅力は、装置理化学機器商材を紹介して販売することに留まらず、導入後の技術的なアフターフォローを御社自身で迅速かつきめ細やかに行っているところです。
- 石川・康本
- ありがとうございます。
当社に対する期待
- 石川・康本
- 最後に、今後私どもに期待するところをお聞かせいただけますか。
- 松本先生
- これまでシニアミドルの社員の方々が築きあげていらしたであろう「ディーラーかつ技術屋集団」というプライドやスピリッツを、今後も若手の方々に受け継いでいっていただければと思います。
- 石川・康本
- そのように感じていただけるよう、精一杯頑張ってまいります。本日はありがとうございました。